看板の文字にこだわる
近年は大型のインクジェットプリンタが普及してきて、ビジュアルのみを見せるサインも多いですが、
看板制作の基本は「文字」レタリングだと思います。
皆さんも中学や高校の美術の時間にレタリングを習ったことがあるかと思います。
現在ではPCの普及にともない、各社からいろいろなフォント(書体)が発売されています。
基本書体である「角・丸・明朝」をはじめ、楷書や行書の筆文字から、手書き風のフリーフォントまで。
ところが、これらのフォントをそのまま(平打ちとか言います)看板に使うのは無謀です。
看板の文字は大きいです。たとえば会社の本社ビルの外壁に立体文字を付けたとしましょう。(大会社ならロゴマークがありますが)
DTPデザイナー御用達のM社の角ゴシックを平打ちすると下記のようになります。
・・・特に悪くはないように思えますが、、、、
M社のフォントは形状は良好です。大きくしても各文字のプロポーションはおかしくありませんが、ではツッコみましょう。
・漢字とカタカナのバランスが悪い
漢字が大きくカタカナが小さいですね。(これはどこのフォントも一緒です)
・文字間(カーニング)がおかしい
特に「−」と「ド」の間隔が空きすぎですね。
これは結構難しく、カタカナを大きくすると文字の太さが変わってしまい不自然になりますし、カタカナの文字間を 詰めると窮屈な印象になってしまいます。
以下、私が看板制作に使用している書体の見本です。(手書きじゃありません)
◆角ゴシック◆丸ゴシック
◆明朝
◆楷書
◆行書
◆隷書
筆文字、特に隷書は横書きで平打ちすると「文字が躍る」という表現を使いますが、各文字の高さがマチマチなので文字列が
波打ったように見えてしまいます。
文字列全体が安定感のあるように配列しないと、なんとも見ていて違和感のある看板になってしまいます。
看板制作もデジタル化が進んできて、小さなものなら名刺、封筒から、会社案内、ポスターまでデータの共有ができるようになりました。
最初のデータを作るのは印刷屋さんが多いですが、(弊社でも印刷屋さんからのデータ入稿があります)この辺まで気にしている
方はそんなに多くありません。
あまりにも見苦しい場合はこっそり直したりしています。